ギャンブルからの回復(筆者父の話)
ギャンブル依存症の香月です。
筆者は学生の頃にギャンブルにはまり、借金を作って中々依存症から抜け出せない毎日を送っているのですが、そもそも、私がギャンブル依存症になったときに初めて知った事実。
実は筆者の父親も過去にギャンブル依存症だったのです。
我が家は決して裕福ではなく、どちらかといえば貧相な生活をしておりました。それが当たり前だと思っていたので、何とも思わなかったのですが、どうして母は一生懸命働いているのだろう? 私がまだ幼稚園の頃から、ずっと、朝から晩まで。それだけがずっと疑問でした。
ご飯はいつも作り置き、温めて食べてねとメモ書き。
小学生ながら家事全般をこなし、弟の面倒を見るという小学生ライフを送っていました。
その裏に隠された事実を知ったのは高校生のときです。
母親の口から、実は父親が昔友人に騙されて詐欺にあってから、我が家はその借金を返済するのに必死だと。それで母親も働いていたのだと初めて知りました。そのときは何も疑わなかったです。
ふと、母の口から自己再生という言葉を聞いたのをおぼえています。
借金の減額、その代わり決まった期日に絶対に振り込まなければならないと。金銭はすべて母が管理していました。
しかし、それはあくまで我々子供に対して表向けの事実。というより、母も実際のところは知らなかったみたいです。ずっと詐欺の被害だと思っていたそうです。
実際は、父はギャンブルが大好きで、作った借金のほとんどはギャンブルが原因だったのです。
母がそれを知ることになったのは、私がギャンブル依存症で、まるで父と同じような行動をすると分かってからでした。
母には父、子、ともに大変悲しい思いをさせています。
いつか埋め合わせをしたいと思っていますが、私のギャンブル依存症からの回復はまだまだ先の話になりそうです。
一方、父は債務整理をしてからギャンブルから縁を切りました。私が小学校高学年くらいのときからだそうです。御小遣い制、母が管理、ぜいたくはしない、それを何十年続けているうちに、ギャンブルをしたいという欲求がなくなったようで、おかげさまで私や兄妹の大学に行く学費を納められるくらいの貯金ができたそうです。
なぜ、父は回復できたのか、私には理解できません。
誰かに助けを求めたわけでも、何かのミーティング、セミナーに参加したわけでもありません。ただ、父は己の意志で乗り越えたのでしょう。
私は施設にいましたが、周囲のギャンブル依存症者の中に自力回復者は1人もいませんでした。父のようなケースは非常に珍しいそうです。
そのせいで、私は父のように自力で治せると思って問題を先延ばしにしてきたのですが、親子といっても一人の別の人間。回復のプロセスは決して同じではないということに気づかされた、だから自分で行動したというわけなのです。
今、自力でなんとかなると思われているギャンブル依存症の方々へ、確かに強固な意志、決意があれば依存症から回復することができるでしょう。ただ、それができているならば、今まさに、自分は依存症ではないということも認識してほしいです。
回復に膨大な時間がかかる、それが依存症というものです。
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LuiRui138ss@outlook.jp
私自身、そして依存症者の方々の人生がよりよくなることを願っております。